2012年6月19日火曜日

ナキウサギのすみか、永久凍土の森。


6月上旬、大雪山国立公園の東、然別湖の近くの山に行きました。

北海道低温科学研究所の調査によると、この山地の永久凍土は、日本列島に残る最古(約3800年前)の氷である可能性が高いそうです。

シベリア、アラスカにはもちろん永久凍土が広範囲に分布していますが、アトリエ近くの森で日本最古の氷があるとは驚きです。


風穴には、氷柱(つらら)が。

暑い夏、この森に入るとひんやり、とても気持ちが良いです。

氷や雪が残る風穴から、冷風が吹き出しているからです。


山頂近くのガレ場(ゴツゴツした岩が積み重なった場所)に到着しました。

イソツツジの花の上で、小さな蝶と昆虫がにらめっこしています。

そのとき、「ピチー、ピチッ!」。

ナキウサギの警戒の鳴き声がひびきました。

 ナキウサギ発見!

 ズームアップ。


そんなに広くないガレ場ですが、もう一匹いました。夫婦でしょうか。

安全な岩場の巣には、春に誕生した子ウサギがいるのかも。


ナキウサギが生息できる場所は、北海道でもとても涼しい高地に限られています。

温暖化の影響で、永久凍土が溶けることになれば、ナキウサギは生きていけません。

氷河時代から続く「いのち」のリレー、そのバトンを落としてはいけないです。

これからも元気でね!